「5の友だち」「10の友だち」は、そろばん計算の中心です。教室では「5の補数」「10の補数」「5の合成・分解」とも呼ばれます。これがわかると、どんなたし算・ひき算もできるようになり、同じ数の知識は一生使える暗算の力にもなります。
この記事では考え方を説明し、ルールの一覧表と、一歩ずつの例題を紹介します。本物のそろばんかオンラインそろばんを用意して、実際に動かしながら読んでください。
なぜ「5の友だち」「10の友だち」が必要なの?
1けたにあるのは一珠4つ(1つ1)と五珠1つ(5)だけです。多くの計算はそのままでき、2が置いてあるけたに1を足すなら一珠をもう1つ上げるだけです。ところが3に4を足したいとき、空いている一珠は1つしかありません。別の方法が必要になります。
そこで「同じ結果になる動き」に置きかえます。4を足すのは「5を足して1を引く」のと同じ。9を足すのは「10を足して1を引く」のと同じです。5や10になる組み合わせが、どの動きを使えばよいかを教えてくれます。
5の友だち(5の補数)
5の友だちは1と4、2と3。五珠が使えるのに一珠が足りないときに使います。
| 足すとき | 動かし方 | 引くとき | 動かし方 |
|---|---|---|---|
| +1 | +5して-4 | -1 | +4して-5 |
| +2 | +5して-3 | -2 | +3して-5 |
| +3 | +5して-2 | -3 | +2して-5 |
| +4 | +5して-1 | -4 | +1して-5 |
例題 4+2:一珠が4つとも上がっているので、そのまま2は足せません。五珠を下ろして(+5)、一珠を3つ下げます(-3)。5+1=6になります。
例題 6-3:5+1が置いてあり、取れる一珠は1つだけ。一珠を2つ上げて(+2)、五珠を上げます(-5)。3になります。
10の友だち(10の補数)
10の友だちは1と9、2と8、3と7、4と6、5と5。そのけたに答えが入りきらないときに使い、左のけたへ1を繰り上げ(たし算)、または左のけたから1を借ります(ひき算)。
| 足すとき | 動かし方 | 引くとき | 動かし方 |
|---|---|---|---|
| +1 | -9して+10 | -1 | -10して+9 |
| +2 | -8して+10 | -2 | -10して+8 |
| +3 | -7して+10 | -3 | -10して+7 |
| +4 | -6して+10 | -4 | -10して+6 |
| +5 | -5して+10 | -5 | -10して+5 |
| +6 | -4して+10 | -6 | -10して+4 |
| +7 | -3して+10 | -7 | -10して+3 |
| +8 | -2して+10 | -8 | -10して+2 |
| +9 | -1して+10 | -9 | -10して+1 |
「+10」は左のけたの一珠を1つ上げること、「-10」は左のけたから珠を1つ取ることです。
例題 9+3:一の位は9。3の友だちの7を引いて2にし、十の位に1を足します。答えは12。
例題 8+5:5を引いて(五珠を上げて)3にし、十の位に1を足します。答えは13。
例題 15-7:一の位は5なので7は引けません。十の位から1を取り(-10)、一の位に7の友だちの3を足します。答えは8。
両方を使う計算
10の補数の動きの途中で、同じけたに5の補数が必要になることがあります。初心者にはいちばん難しい計算なので、最後に取り上げましょう。
- 7+6:6を足すには「-4して+10」。しかし5+2が置いてあり、一珠を4つは取れません。そこで4を引く5の補数「+1して-5」を使い、3にします。最後に十の位に1を足して、答えは13。
- 13-6:6を引くには「-10して+4」。十の位から1を取り、一の位の3に4を足すために5の補数「+5して-1」を使います。7になり、答えは7。
むずかしければ、数日はそれぞれのルールを別々に練習しましょう。両方が自動的にできるようになると、組み合わせの動きも自然に身につきます。
うまくいく教え方の順番
ルールは1つのグループずつ、たっぷりくり返して覚えるのが効果的です。
- そろばんを使わずに組み合わせを声に出す:「1と4で5、2と3で5」。10も同じように。
- 5の補数のたし算(+4、+3、+2、+1)→ ひき算。
- 10の補数のたし算(+9、+8から)→ ひき算。
- 両方を使う計算(5+6、7+7、13-7、14-6など)。
- すべてのルールを混ぜて、5〜10問の短いセットで練習。
学習ステップはこの順番でルールを紹介し、練習問題ではルールごとに練習できます。
練習問題と答え
5の補数:3+4、2+3、4+4、7-3、6-4、5-2。10の補数:9+7、8+4、9+9、12-4、15-8、11-3。両方を使う:6+8、7+7、13-7、14-6。
答え:7、5、8、4、2、3 / 16、12、18、8、7、8 / 14、14、6、8。
まとめ
5の友だち・10の友だちを覚えると、そろばんは「数える道具」から「計算する道具」に変わります。5と10になる組み合わせを覚え、上の表を使い、1つのグループずつ練習してから混ぜましょう。毎日数分の練習で動きが自動的になり、暗算への準備にもなります。
次は、同じルールを頭の中で使う暗算を始める時期と教え方をご覧ください。
よくある質問
そろばんの「5の友だち」とは?
合わせて5になる組(1と4、2と3)のことで、5の補数とも呼びます。一珠が足りずに4を足せないときは、5を足して1を引きます。
そろばんの「10の友だち」とは?
合わせて10になる組(1と9、2と8、3と7、4と6、5と5)のことで、10の補数とも呼びます。9を足すときは1を引いて左のけたに10を足します。
5の補数と10の補数、どちらから教えますか?
5の補数からです。1けただけで完結し、10の補数の考え方の準備になります。
身につけるのにどれくらいかかりますか?
毎日短く練習すれば、5の補数は数週間、10の補数は1〜3か月ほどで慣れる子が多いです。
「合成・分解」と「補数」は同じですか?
基本的には同じ考え方です。5や10を2つの数に分けたり合わせたりする関係を、そろばんの動きに使います。
